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「ボイド氏の奇妙な邸宅」読了。

하지은作家の長編小説3作目です。

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보이드씨의 기묘한 저택.

架空の街ローラン通り6番街にある、7階建ての建物、

ナゾの人物、ボイド氏が所有するアパートを舞台に、

入居者たちが繰り広げる事件が描かれています。

玄関から始まり、1階の住人から7階の住人までの話が

オムニバス形式で書かれているのですが、

常に出てくる中心人物たちがいて、最終場面に向かって

事件が積み上げられていきます。

1作目、2作目は作品の舞台に自分の身が溶け込むほど

匂いや色や空気を感じる文体でしたが、

今回はどちらかというと心理描写が強く表れていた気がします。

共感できる心理描写が沢山。

直接的な言葉ではないのですが、

あ!この人、今こう思っている!というのが

伝わってくる表情の描写やセリフや文体。

特に、子供3人を育て上げた母親が、

子供の家を訪ね歩くお話は、耳も胸も痛いです。

商売の切り盛りと育児で忙しい長女の家で、

娘の手が空くのを待っている間、

散らかっている家の中を少しでも片付けてあげようと

掃除を始めた母親に、娘が声を張り上げます。

뭐하시는 거예요, 엄마?

お母さん、何してるのよ?

먼지가 너무 많아서 말이다.

원 닦지를 않았구나.

あまりにホコリだらけなものでね。

なんて事だい、拭き掃除もしないでいたのね。

그냥 놔두세요. 엄마가 정리하면 나중에 어디

있는지 못 찾는단 말이에요.

放っておいてちょうだい。お母さんが片付けると

後でどこにあるか分からなくなるのよ。

…ハ・ジウン作家がどこかで私と母の会話を

盗み見していたのではないかと思われる描写ですsad

親が来て帰った後に、何かが見つからないと

とりあえず母親のせいにしますcoldsweats01

そして、その探し物は、かなりの高確率で

「なんでこんなとこにcoldsweats02

ってとこから発見されますgawk

「だから触らないでっていってんのに(#`Д´)!!」

という抗議の声は、まるで聞き入れられません(T_T)

終わりなき母娘の闘い。

まだまだお若いハ・ジウン作家が、

母娘間のこんなやりとりを持ってくるとは…。

こんな母娘間のやりとりは古今東西を問わず

世界共通、世代共通なのか…。

全体的に、今までの作品ほどオドロドロしくはなく、

(1話目はちょっとオドロオドロしい。)淡々とした事件です。

(今までのがオドロオドロしすぎだったのか?)

キーワードは소원願い、なのですが、

人の願いとは、欲とは、そして「愛情」とは…?

恋人への愛、親から子への愛、子から親への愛、

無条件な愛、偏った愛、自分本位な愛…

それぞれの立場からの色々な形の愛情が見えます。

想い始めはまっとうな形の愛だったはずが、

どこからか常軌を逸してしまう。

思い始めはまっとうな願いだったはずが、

どこからか非人道的になってしまう。

人の願いは、他人を思って願う願いは、

どこまでが「まっとうな願い」なのか。

そこは、フィクション故、ちょっと歪み過ぎだろgawk

思うところがないわけではないですが、

頭っからあざ笑う事は出来ないものがあります。

実は、最終場面までは、全体的に悲しい雰囲気な上、

今までの作品に比べ「淡々と」していることから、

(ところどころ、え!これってどういう意味!?と

戻って読み直さねばならない様な、

謎めいたシーンがあったのは面白かったのですが。)

3.5くらいかな~と

思っていました。

しかし最終場面でやはり、やられました。

静寂の中の彼らだけの世界。

悲しみ。

安らぎ。

そして、願い。

…これ以上は言わないでおきましょう…。

最終場面が気にいったので4つで。

残念な点が二つ。

一つ目は装丁が甘い。

巻頭に数ページ、カラーの挿絵が付いているのですが

そのカラーページが、

読んでる途中でパラパラとはがれてきました(-ω-)

それから、その挿絵が…。

非常に幻想的、芸術的で絵的にはいいのですが

挿絵がないが故の「想像する楽しみ」が阻害されます。

しかも、そいつらが巻頭にもあるもんで、本文を読む前に

なんとなく話の想像がついちゃうのが残念。

ハ・ジウン作家の作品は、作品内容もさることながら

その場面を想像し、自分の中に作品舞台を作り上げるのも、

大きな楽しみです。

空想世界に入り込みたい方は是非shine

(どうせ入り込むなら「愉快で楽しい空想世界」に

入り込みたいわよ(`Д´)と思われるかもしれませんがhappy02

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コメント

お~、今日はネタバレなしで。
気になる書き方で・・・海さんが星4つつける最後の場面がめっちゃ気になります~><

ご近所だったら借りに行くのに。

そして、なんかこういう表紙ってあるよね、韓国の装丁。

投稿: たま | 2012年3月29日 (木) 18時36分

私にとっては★4つでも、奥深すぎるたまさんには
味気ない最後だと思います~(^◇^;)
最終場面的には、非常に静かな終わり方です。
ハ・ジウン作家の作品はわりと静かに終わるのかも。
最終場面の前には「あ!」っと叫びたくなる場面もあり、
冒頭から中盤までずっと小波がユラユラとしてるような
どっちかというと平坦な雰囲気、
(と言いつつ次々殺人&失踪事件。)
終盤で大波が来て最終場面で凪、みたいな感じです。

こんな甘い装丁、初めてでした(`ε´)
…と思ってたら、さっき教材(韓国版)のページが
はがれた(#`皿´)

投稿: 海 | 2012年3月29日 (木) 22時10分

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